15.2.12

建物の活用アイデアの募集

大阪中央郵便局庁舎の活用アイデアを広く募集します。この名建築を残して使い続けるため、そして大阪の駅前を魅力ある街にするため、皆さんの思いを是非届けて下さい。プロ・アマ問いません。どなたでも結構です。優れた提案、ユニークな提案はシンポジウムでも発表いたします。

[応募方法]
活用アイデアを400字以内の文章にまとめて、氏名・性別・年齢・所属・住所・電話番号を明記の上、下記宛先にメールでお送り下さい。
*写真や図版を添付する場合は、メールの全体容量を1M以下にして下さい。

[これまでにご応募いただいた活用アイデア]
ゴリモン(梅田ウォッチャー)
 活用テーマは「インターナショナル!」
郵便事業の拠点として、長く世界と繋がっていた建物。その歴史を継続。
 低層階は「世界のフードコート」
世界中から美味しい食文化が集まる大型飲食施設。コンセプトは現代版“天下の台所”
若手料理人、海外有名シェフのテストキッチンとしても使用可。
 高層階は国際交流エリア。各機関の出張所。
館内全体がギャラリー・ステージ
Photogenic OSAKA」をテーマに館内のあちこちで写真展を開催。“絵になるOSAKA”をPR
通路ではアーティストが自由に路上演奏OK。即興コラボ演奏なども期待。
インターナショナルなキッズルーム&託児所
建物全体を「大きな行灯に」
全館照明を電球色のLEDに統一。庁舎時代の蛍光灯と違い建物全体が温かな行灯に。
屋上の活用
屋上カフェ&ビアガーデン。下階フードコートの料理も楽しめる。
OSAKA」の巨大サイン・アドバルーン。アート作品の展示。

深川 礼子(一級建築士事務所ofa
魅力的な場所の多い大阪エリアですが大阪駅を降りてから、それぞれの場所や水都を代表する川などにスムーズに移動できるようになると、より魅力を向上し街を訪れる人を増やすことができると思います。
そのための「one stop transfer」の提案です。
中央郵便局は、国内外からのゲストが最初に触れる大阪の文化にふさわしい建物だと思います。

 藤野 進(会社員)
大阪中央郵便局の利用および活用方策として、梅田貨物駅跡地にできる広場広場からも現状の姿のまま、見ることが出来るようなものが望ましいと考え、既存の局舎は基本的に解体せず、西側に高層ビルを建設し、オオサカガーデンシティと一体として利用する。
歩道が狭隘なので、1階南側1スパン程度を区切り歩行者通路として開放し、仕切りにショーケースを用いて歴史等に関するパネル掲示を行い、地域の文化を発信するスペースともする。郵便局窓口と商業施設として活用する。
2階以上は軽微な改修で商業施設等として用い、5階は眺望を生かした飲食店やギャラリーとして用いる。
また、屋上緑化を行うことで、近隣ビルからの景観に配慮する。
大阪駅との連絡通路は東面線路側に接続することで、南側からの外観を妨げないようにする。
また、別案として、竣工時にはなかった北西側の4階以上を改築しホールを設置することが出来ないかどうか提案したい。

40代男性(建築関係)
現庁舎をある程度の固まりで残して、重要文化財指定してもらう。
 容積移転をして、残地で新ビルを建てる。(日本橋三井方式)
 重文部分は、NPO法人等により維持管理し、改修費、税金含めて株式会社には負担をかけない。
 重文部分を公共貢献、にぎわい創出要素として行政に認めてもらい、ホールの計画を取り止める。
 地下やデッキとの接続を、現庁舎改修の中で解決する。

40代男性(自営)
立地条件の良さを生かし、ユースホステルに。海外からの旅行者、特に若者に大阪の良さを判って貰うには、最適の場所、環境ではないでしょうか。老朽化という点を考えると、館内に余り多くの新たなる設備投資をして負荷を掛けるのは好ましくないので、一階にはレンタサイクル等を常備して宿泊者や街にやってくる旅行者へ貸し出しをし、他の階になるべく簡易で開放的な宿泊施設を備えます。

60代男性(建築関係)
ある対談での建築家西沢大良さんの言葉《…ふと見ると木陰に人が集まっていたりというくらい木陰の気持ちよさを身体が憶えている。でも建築には誰も近寄ってこないんですね。(『新建築』200811月号)》をよく噛みしめた上で、大阪中郵活用アイデアとして「子供からお年寄りまでのすべての世代の人々が気楽に立ち寄れる木陰のような建物に再生!」を掲げたい。
その樹木の幹や枝は建築家吉田鉄郎さんが心血注いで設計された大阪中郵本体であり、残る葉っぱを私たち市民が受け身でなく主体となって活き活きとしたものに育て上げるという感じでしょうか。例えば、建物内の各階スペースを可能な限りフリーとし、市民の皆さんの企画のもとに各階各所で市民参加のワークショップが行われ、まさしく“文化の屋台村”状態が実現出来ればと、又、運営面についても民間企業等に出資をお願いすると共に、市民レベルでの寄付感覚で賄っていければと思います。

30代男性(建築関係)
MBA(経営学修士)や維新塾等政経塾の複合施設(コンプレックス)。
■理由等
大阪経済活性化の下支えになる。
主に社会人対象。
学ぶための施設は時を経た「ホンモノの建築」が適している。
知はシェアできる時代。学ぶ施設もシェアできるはず。

60代男性(会社員)
一室を設け梅田界隈の以下の歴史を紹介する。①梅田三昧(墓) 
②梅田橋 
③梅田道 
④初代大阪駅 
⑤2代目大阪駅 
⑥3代目大阪駅 
⑦4代目大阪駅 
⑧現大阪駅 
⑨阪神梅田駅の歴史 
⑩阪急梅田駅の歴史 
⑪出入橋・入堀の歴史 
⑫精藍所西朝陽館・大阪市庁舎・阪大 
⑬梅田道 
⑭梅田新道 
⑮戦後の闇市 
⑯堂島新地・曽根崎新地 
⑰曾根崎心中・心中天網島 
⑱牛の薮入り 
⑲菜種 
⑳南海の梅田乗り入れ 
など
明治建築研究会
解体計画が発表されている「大阪中央郵便局旧局舎」の有効活用を図る為に,中ノ島で検討されている大阪市立近代美術館に再生すればと思う。重要文化財クラスの日本の初期モダニズム建築の代表作を活用する。歴史遺産の保全と活用,一石二鳥である。橋下市政で、将来は不明であるが、天王寺公園の現在の近代の名建築の美術館同様に、新しく提言してゆきたい。

男性
「博物館」にする。都心には歴史博物館しかありません。一等地で必ずや成功するでしょう!

岩田 雅希(アートアンドクラフト/BMC)
現在の梅田は、JR大阪駅及び各私鉄のターミナルとして大阪の玄関口でありながら、残念なんことに文化的な要素がほぼ皆無です。大阪人は勿論、国内外から大阪を訪れる人に対しても消費以外の目的を提供するべきだと常々感じます。
そこで文化的な観光拠点として近代美術館への活用を提案します。まず展示物と建築が同世代なので親和的です。また、新築すれば、美術館という目的に対してあらかじめ様々な(つまらない)想定をし尽くすのに対し、再活用される建物は使い方に工夫が必要な分、いい意味で線引きが曖昧になる個所がおそらく幾つも発生するため、美術の展示方法にもかえって面白い発想が生まれるだろうと想像できます。また滋味のある外装と大きな開口部を活かし、窓からその時々の展示が華やかにはみ出すような使い方をすれば、街に対して常に違った顔を見せることとなり、大阪で最も華やかな都会を豊かに彩ることでしょう。

匿名
カフェや雑貨屋や工房やギャラリーなどの物づくりと芸術の複合体として活用するのはどうでしょうか?

10代男性(学生)
コンセプトは「近現代の蔵屋敷」。中央郵便局は全国から手紙や荷物が集まる所。その特性を今日に継承し、全国から人やモノが集まる空間にしたいと考えています。具体的には大型の道の駅のような施設のイメージです。日本各地の工芸品や名産の食品を売るスペースを貸し、加えてその地域のPRのブースや食堂も設けます。集配車用としていた空間は商品の搬入口とします。百貨店の物産展よりも博覧会に近い雰囲気になるのが好ましいです。これで、地方の活性化に寄与できるとなお理想的です。そして、もう一つ特筆すべきことは、各路線の駅だけではなく、高速バスの乗り場が隣接していること等、極めて交通至便であることです。これを活かし府外からの観光客にも行程に加えて立ち寄って頂きたいと考えています。大阪を味わう以上に大阪に集積した全国のモノを少しずつ楽しむというスタイルを大阪中郵の活用案として提示します。

森 浩之(会社員)
ホテルはどうでしょう?
梅田のホテルも飽和状態ですが、高級、ビジネス、旅館、それら共違う方向性で集客出来るのでは?と。
歴史ある建築物で宿泊、観光客にアピール出来そうな気がします(特に海外)。大阪駅近というのも強み。
中にはかつての中郵の写真をパネル展示するコーナーがあってもいいし、カフェやレストランを宿泊客以外にも開放してもいい。
郵便局の出張所があってもいいですね。

瀬川 健(近畿産業考古学会会員)
大阪中央郵便局を自転車の街・大阪のシンボルに!
建築家中谷ノボルさんによる23日シンポジウムのチラシにある提言、「大阪中央郵便局を立体駐輪場に!・赤い自転車をレンタサイクルに・自転車の街・大阪が誇る自転車博物館を」に賛成し、触発され敷衍した私の案です。建物全体を活かしサイクルワールドに!
 大阪駅前大駐輪場―都市ターミナル駐輪場のモデルとして
 パリ・ロンドンで成功しているIT制御による乗捨て自由の都市レンタサイクル・大阪版導入の駅前拠点に⇒街のシンボル・赤色デザイン自転車が大阪中を走る!
 世界有数規模の自転車博物館(堺に自転車博物館を持つシマノに全面的協力を得たい)
 同館ホールでは旅・ドキュメンタリー映画の上映等(国立民族学博物館と連携)
 自転車と車の共存は緊急の都市交通課題:自転車安全走行+車ドライバーへの啓発体験拠点⇒遊んで学ぶ:交通安全学習センターに!
 やはり仏独などで都市再生の鍵となっているLRT(低床高速路面電車)と自転車交通を中心とする都市交通問題の実用研究拠点(大阪には堺市の交通行政、枚方・LRT推進会(阪大長山泰久名誉教授)・近大三星教授などの蓄積あり)。市民参加も
 世界の自転車ツーリスト(輪行)や質実な旅行者のためのユース/エルダー・ホステル⇒駅前を活かしJRとタイアップ
 大規模サイクルショップ(修理教習工房も付属)⇒隣接して大型店舗をもつ在阪アウトドアスポーツ・ブランド、モンベルの協力を得たい 

30代男性(建築関係)
地域とサテライトキャンパス共有の図書館・インフォメーションセンター+地方・海外からの旅行者のユースホステル+レンタサイクル
■図書館
各大学のサテライトキャンパスが集中している。
富国生命ビルに立命館・京都造形芸術大学、DDHOUSE方面に宝塚造形芸術大学、中之島には大阪芸術大学・慶應義塾大学など。現在建設が進行している北ヤードには京都大学のサテライトもできる予定?
どの大学も本学並みの蔵書量は確保し難い。
そこで大阪中央郵便局を各大学と地域で共有する図書館として利用する。
■ユースホステル+レンタサイクル
駅から近い立地で高めの料金設定になりがちなところを低めの料金設定にできないか。
共有スペースで各地から訪れる旅行者との情報交換、図書館に来た学生や地元の人との交流。
地域情報紙などだけではないライブな情報を得られるのでは。
お互い交流が面倒な時は、本を探す、読むを理由に分かれられるし、誰かに聞きたくなったら話かけることができる。
レンタサイクルについては中谷ノボル氏の提案の通り。
情報をもとに自転車で移動し、大阪観光を楽しんでもらう。昨今の自転車ブームから輪行できたり自走で大阪に来る人のための駐輪場としても提案してみたい。駐輪対策と防犯対策も兼ねて。

村瀬 佐太美近畿産業考古学会会員
本件が近代化遺産であり、関西の玄関口に位置することから
 関西の近代化遺産の紹介:パネル展示、関係各府県市の報告書等の閲覧
 保存賛同者の交流の場とする:新発見物件・新情報の写真パネルの展示など
 過去に郵便局が実施した工作・絵画展等の保存物件の展示
 館内写真撮影可とし、コピーサービスの実施(有料コピー機の設置)
 支援団体・ボランティア団体のパネル紹介
 保存管理のための寄付金の受付(寄付金箱の設置)
 施設の日常管理は支援団体・ボランティア団体により行う。

矢部 達也(矢部達也建築設計事務所)
せっかく機能を失った建物が生まれたんだから、そこは「空き地」にしたらいい。
「空き地」とは、建物が建ってない歯ぬけ空間のことじゃなくて、特段の機能のないパブリックスペースのこと(広場と呼んでもいいけど)。
まずは1階から。
1階の出入口と窓のサッシュをすべてとりはずしてピロティにする。
天井は十分に高いからいろんなアクティビティをサポートできるだろうし、狭いと言われている歩道の延長としても役に立つだろう。
昼は風の吹き抜けるベンチでちょっと一服してみたいし、夜は低電力で照明された行燈として、終電をなくして歩いて帰る私を迎えてほしいな。
1階がうまく使われるようになれば、上階の利用のしかたも自然にそのかたちがみえてくるかもしれない。
都市には通りと連続した、タダで入れる、安全でやさしいパブリックスペースが必要だ。
広場は建物の中にだってつくれる。

前田 克己(柳々堂書店)
天王寺を海外からのツーリストを受け入れる場所として、梅田(大阪駅)に近い中郵を国内からの旅行者を受け入れるセンターと旅をテーマにした館に。まず大阪府にある他県の出張所を一つに纏めます。中郵の駐車場は、長距離バスの発着センターとします。地下駐車場は旅行者用に活用。もちろん大阪府の情報センターとしてツアー(大阪旅めがねなど)やホテルの案内、大阪に関係する書籍を集めた、大阪図書館を。明るい一階ではマルシェもいいですね。

吉永 健一(吉永建築デザインスタジオ)
『観光と[ショートカルチャー]の施設への活用提案』
大阪中央郵便局庁舎の立地に最もふさわしく求められる施設として観光センターを提案。合わせて [ショートカルチャー]の施設も提案。
■観光センターの提案
 ターミナル機能
・高速バスの待合
・関西3空港への搭乗手続き
 観光インフォメーション
・関西に加え他県、他国への旅行者のために各国各県の観光案内
 その他観光客補助
・外貨両替、免税店、ホテル、レンタカーなど

[ショートカルチャー]施設の提案
・バスや電車待ちの旅行者などを対象としたエンターテイメントホール。もちろん一般客も可。
・コント、ムービー、音楽など1030 分の演目を規則正しく時計の様に公演。乗り場に向かう目安にしつつ大阪の文化を楽しんでもらう。
・パフォーマーの育成、支援施設も用意。
・車中短い時間で読む短編小説が文学全体に影響を与えたように [ショートカルチャー]も同様な可能性を見込める。大阪にはその素養がある。

眞柴 一樹(アトリエウルル建築設計事務所主宰)
その昔、大阪中央郵便局舎は、大阪駅に到着した物資を堂島川へと続く運河を利用し各地への輸送を行う拠点であった。
その文脈を踏まえ、文化(人の流れ)の拠点 “芸術広場”として再生する。
■1階-東、南側歩道に開き、カフェなどを併設し、観光案内所、待合せ広場とする。
この立地であれば、大阪の文化施設の案内や、大阪ガーデンシティをぬけ国立近代美術館、なにわ筋を南下しフェスティバルホール、御堂筋への散策路の拠点の一つとなりうる。
2,3,4-美術館とし、市が所蔵している佐伯祐三のコレクションなどの常設展示や、他の企画展示を行う。
この建物は階高の高いラーメン構造なので、これら用途にフレキシブルに対応できる。また、建物中心部のライトコートを利用して人の動線を確保する。
■上層階-アーティストや、旅行者の宿泊施設とし、24時間利用できる。
気軽に“今日、夜七時に○○の絵の前で待合せね”なんて美術館があったらいいなと思う。

40代女性
1階の床は芝生を植え(浅い川があれば、なお良し)、子供の遊び場として活用し、最上階は、イベントスペース(演奏会・発表会・演劇・ダンスなど)として利用する。
そのほかの部屋は、「不思議な小部屋」をコンセプトに「体感(見て、聞いて、触って)」出来るものを考える。
電気については、ソーラー発電を使用する。

30代男性(会社員)
旧郵便局庁舎を生かした家族連れが楽しめるアミューズメント施設
■理由
大阪駅周辺は、ビジネスマン・学生などが楽しめるアミューズメント施設(カラオケ・居酒屋 等)は多く在りますが、子供連れの家族を対象としたアミューズメント施設がありません。
小さい子供がいる子供連れの家族に大阪駅周辺に足を運んでもらいやすくするために、旧郵便局庁舎を親子で楽しめるアミューズメント施設(テーマパーク)として活用できないかと考えます。
■内容
アミューズメント施設(テーマパーク)は、
元々の建物が郵便局というところから郵便をイメージした施設(アトラクション)を用意し、
郵便局庁舎であった歴史を損なわないようにしたいと考えております。
■施設(アトラクション)
・制限時間以内に消印をいくつ押せるかを競うゲーム
・制限時間以内にはがきを振り分けるゲーム

40代女性(建築関係)
先ず、この建物の存在について、多くの街行く人々からはさほど注目されていないのが現実ではないかと私は思っています。建物外観の装飾の無さ、周囲のビルに比べて極端に言い方を悪くすると地味。コレまでは郵便窓口に用事がなければ特に利用する施設でもなく、待ち合わせ場所になっている場面も見受けられない。一部の建築に興味のある人たち以外には、解体についても特に反対する意味もないだろうと思うのが私の思うところです。なので、[大阪中央郵便局庁舎]をどうするか。ではなく、逆にこの場所に何が欲しいか?という観点から考えるのが良いのではないかと思いました。
それで提案したいのが、「便利な待ち合わせ場所」です。
1Fスペースの天井高さを利用してアートな空間をつくり、その中で人を待つ。若しくは場所柄、ちょっとした打合せが出来る場所が良いのでは?テーブルと椅子とちょっとした飲食が出来るようにする。昔は郵便局であったというオマージュのために、手紙を書いて投函できるスペースを設けるのもベスト。そのときに、切手とおしゃれなレターセットを販売するようにする。

女性
その国にとって、建築は財産であると思います。
この大阪中郵便局は、第二次大戦を経験し、戦後の復興、高度経済成長、バブルの崩壊、21世紀の世の中を感じ続けて今もそこに建っている。
その長い歴史から時代が移り変わっていくのを、この建物は体験している。
時代を経験した人間は、亡くなっていきます。
戦争のことを話したがらないまま亡くなろうとしている人。
自分が亡くなることを身近に感じて、話をしはじめようと口をあけてくれる方も。
語り継いでいくことはもちろん重要です。
ただ、今やその当時のことを体感することができないくらい世の中は新しいものだらけになったような気がします。
中途半端に古いものは、排除されているのではないでしょうか。(車もしかり)
この建物の中での体験は、きっと現代建築の体験とは全く異なるはず。
この建物は、その経験した時代を来た人にタイムスリップさせてくれるのではないかと思いました。
戦中、戦後、戦後復興という時代の流れでゾーンを分けて、その時々のモノに触れたり、衣装を身に着けたり、(軍服、モンペ、ミニスカート、カラス族とか)
その当時の道具で楽しんだり、何かものをつくる(蓄音機、足踏ミシン、機織りとか)
そのゾーンでは、その当時のモノを食べられる。(いもがゆとか脱脂粉乳とか)
色んな人の話が聞ける。
この保存は、多くの方々が賛同されているので、著名な方の話が聞けたりこの郵便局のなじみの方が、来た人と座談してたら感激なのでは。
昔を懐かしむとか、昔は不便だったという話ではなく、時代の積み重ねの上に今私たちが生きている。後に生まれてくる人たちは、どんな世の中を生きるだろうって創造したり。
郵便局なので、思いのこもった手紙や荷物がここに集まり、受け取り手の元に旅立っていくことから繋いでいくということを願いました。
過去と未来をつないでいくような場所。保存を願っています。

40代男性(建築関係)
1年間展示の巨大インスタレーション会場にしてはどうか。
高いハードルを設けてある種の「アコガレ」を感じさせるようなものにしたい。市民に「かっこええやん」と思わせれば事態は好転するはず。橋下氏で話題を「官」が提供している今、「民」からの話題にはマスコミも飛びつくはず。一定期間でリニューアルするので街に活気を与える。
 『大大阪賞』と名付ける。入賞作は『大阪賞』。芸術家たちの登竜門的な存在にする。ここから輩出されたアーティストは大阪が生んだアーティストとなる。
 郵便局の良さはシンプルな構造躯体で構成された空間そのものなのだから、スケルトンにして全館(若しくは一部)をインスタレーション会場とする。
 インスタレーションはコンペで選ぶ。市民参加の意識が高まるよう、コンペの経過も長期間展示する。
 マスコミの話題になるような、プロデューサー兼審査委員長を任命する。

寺松 千寿子
歴史的建造物は壊さず、外観はそのままに、内部を現在と未来に使い続ける事、に賛同します。
商業•産業に特化した図書館•博物館、職業訓練の場として活用。
大学や専門学校は、こういう場は必要としないでしょうか。
授業の一環で展示替えを学生が行ったり、何よりも過去の集積が学べる場所があることは、立ち返る場所があるという事ですし…
「伝達」を担った施設は、その意志を引き継ぐ使用が理想ですが、なにより使い続ける事で、歴史を「伝達」していけるのだと思います。
一部を残して…というパッチワーク的な保存でなく、ぎゅっと歴史を凝縮している空間を望みます。

30代女性(建築関係)
■提案1
「より都市に親しむための装置としての建築。物流の起点から散策の起点へ。」
周辺で安全に周回できるコースを整備し、マラソンランナー・サイクリストにロッ カー、休憩室、シャワー室等の拠点の提供を行う。
関連施設としてスポーツブランド、サイクルショップ、トレーニング場、オリエンテーリング用広場などを併設。
ヨガやダンススタジオなど各種教室が行える場所も設ければ平日、朝晩の稼動も期待できる。
観光客向けにレンタサイクルや周辺マップ・散策コースも用意し、徒歩+地下鉄での移動もバックアップすれば観光案内所としての機能も兼ねられるだろう。
バックヤードはサイクリスト達のための駐輪場に。朝、自転車通勤してきた人が日中預けておく場所としても利用できる。
ミニバスを利用した市内観光ルートを用意し、その待機所・乗り場としても。
街を楽しんだ後に今度は食を楽しむために、上階には飲食店を併設。新しくなった大阪駅と呼応するようなロケーションは話題となるだろ う。
■提案2
「昭和を代表する近代建築に誇れる大阪の近代美術館を」
財政難より縮小案を余儀なくされた大阪市の近代美術館構想。中ノ島に新築する計画だったが、この大阪中央郵便局の建物をそのままいかして再計画できないか。
資料によれば当初計画の延べ床面積は24,000㎡であり、縮小案では16,000㎡にするとしているが、この建物は25,565 ㎡である。
下階でも天井高は十分とはいえないが、同じ時代の建物ではあるし、現代建築ほどの大型のものは少ないのでさほど問題ではないと思われる。
中庭があるので周回プランにするのもこの規模の建物としては容易ではないか。
当初の建築場所、中ノ島のエリアの整備の一環であったようだが美術館収蔵品との関連性は認められない。
土地取得費用がまだ残っているようだが、そのまま日本郵政に交換を申し出てはどうか。
情勢は建設の延期を余儀なくするほどだが、美術館のほうは決まればすぐ始められるだろう。

津枝 勝見(一級建築士事務所フロントライン)
普通に商業床などとして貸し出せばよいと考えます。高い天井高があり、しっかりした躯体に加えて、開放的な外壁面をもつ建物は、周辺の商業ビルと比べても、おそらく遜色のないものでしょう。
大きな費用を掛けて、収益床面積を増やそうとするより、改修で小さな投資にとどめて、確実な収益をえる方が、今の時代の企業の選択肢としては望ましい方向と考えます。出店側にとっても、ガラス張りのピカピカばかりでなく、落着いて趣きのある建物を好む場合もあり、選択肢が広がります。
もちろん、大きなお金が動かないということは、建設会社や設備投資関連へあまりお金が流れないので、面白く思わない方もあるでしょうが。
すべての床を商業床にする必要はなく、展示場所や集会施設など公共的施設を入れた方がいいし、周辺で不足している機能を入れ込むことも、半公共的企業としてするべきでしょう。不動産価値を高めることにもなります。

古鍛治 達也(Atelier Botanique/植物事務所コカジ)
■提案1
現場は駅からすぐの一等地。
周辺にはすでに沢山の商業施設があり、似たような施設を作ってもなかなか存続が難しいと思います。
中谷ノボルさんのレンタルサイクリングの駐輪場というのはとても良いアイディアだと思いました。
 それには及びませんが、小劇場として活用するのはどうでしょうか?
大阪はかつて演劇の都と言われた街。向いには劇団四季の劇場がありますし、連携も可能ではないかと思います。
 すでに森ノ宮にあったプラネットステーションをはじめ、多くの小劇場が閉鎖され、東京の小劇場の繁盛ぶりと対比して寂しいかぎりです。
大阪中央郵便局は天井高もありますし、階によって大きさの違うホールを作ることも可能だと思います。
 以前、文楽の人形遣いの方の出張講演を手が届くほど間近に見たことがありますが、とても面白い体験でした。
漫才や落語など、大阪ならではの劇場文化を存続させるなら、もっと若手の発表の場も与えるべきだと思うのです。
今回のビルの裏側はかつて線路がひかれていたという駐車場スペースがあるので、地下を掘らなくても舞台装置の搬入もスムーズに行えるのではないかと想像します。
 またこのビルは大きくとられたガラス窓が印象的なビルです。
このガラスを利用して、窓際に劇場前ホール的な空間を作れば、一等地にふさわしい、外からみても華やかな空間になるのではないでしょうか。
大きなガラス開口部を利用して華やかな空間を創り出す事例としては、デンマーク・コペンハーゲンの海沿いに作られたデンマーク王立劇場などが参考になるのではなると思います。(彼の地の照明デザインは秀逸でした)
■提案2
先ごろ大阪府庁を長年懸案だった大阪市立近代美術館として活用するという案が出されていましたが、こちらを分館として利用するのもいいような気がします。この建物自体が近代美術としての価値が高いと思いますから。(安藤さんではなく、別の若手に機会を与えるべきだとは思いますが・苦笑)
(順不同)

6 件のコメント:

  1. 「博物館」にする。都心には歴史博物館しかありません。一等地で必ずや成功するでしょう!

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  2. カフェや雑貨屋や工房やギャラリーなどの物づくりと芸術の複合体として活用するのはどうでしょうか?

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  3. 匿名10:32

    笑われるかもしれませんが・・・
    レトロな雰囲気と天井の高さを生かした、本格的な英国メイドカフェを。
    徹底的に本物を目指し、
    料理や雰囲気、調度品はすべて英国調に統一
    メイドは、日本橋などのなんちゃってメイドではなく、足首まであるスカートに中のペチコートなどまでも本物を再現
    立ち居振る舞いから言葉づかいまでもメイドとしての振る舞いを徹底的に躾ける。(客はメイドと写真を撮ったり話し相手とすることも不可)
    ここでメイドとして雇われることが、一種のステイタスとなるように。
    できれば雰囲気や場所のイメージ作りは森薫氏監修で。
    (森氏はエマ、シャーリーなどが代表作の作家です)

    一種のビル内テーマパークですね。
    でも徹底すれば絶対遠方からも人は来ます。
    北浜レトロをもっと本格的にして大型化したような感じです。
    この案の要は、徹底的にその場所の雰囲気を作りきる、ということです。

    こんなのはだめでしょうか・・・

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  4. 明治建築研究会23:17

    旧大阪中央郵便局庁舎の解体強行をやめるように。12・03・16.

     歴史遺産の保存再生を研究する立場から、予定されている解体工事をやめ、保存を求める人達、グループ、団体と十分話し合うよう要請します。


     日本郵政殿、大阪府知事殿、大阪市長殿、文化庁殿


    京都中京郵便局は、京都市から「歴史的界隈景観地区」に指定、京都市登録有形文化財であり「景観重要建築物」として指定も。この手法は、歴史的建造物の保存などを目的として近年多く用いられているが、これが日本で最初の実施例。大阪中央郵便局の玄関の一部保存よりは、京都の外観保存の方が望ましい

    京都中京郵便局は、煉瓦造の美しい外観が特徴。昭和48年には改築計画が発表、昭和49年に一旦は局舎の取壊しが決定したが、反対運動などもあり、最終的には、外壁を残したままで内部のみを新築する建築手法(ファサード保存)を用いて改築。大阪中央郵便局もこれを参考にして全体の保全再生の検討を

    明日にでも始まる恐れのある大阪中央郵便局の解体工事が、心配される中で、保存を求める声は、高まるばかり。東京中央郵便局の、保存に比べて、大阪を軽く見ているような一部の玄関周りだけの保存に怒りの声が、出ている。日本郵政は、解体工事を一時中断して、再度、市民、建築専門家などの声を聞け!


    日本郵政に、大阪中央郵便局の解体工事を止め、保存グループとの話し合いを持つよう要望している。文化財クラスの優れた近代建築を玄関周りの一部の保存だけで、新築工事を強行しようとするのは、問題である。後世に悔いを残さない為にも有識者、保存派などが、オープンな場で話し合いを持つべきである


          599-8126 堺市東区大美野155-13
              明治建築研究会。TEL 072-236-3357 。

    返信削除
  5. 明治建築研究会14:26

    近代の都市資産・旧大阪中央郵便局庁舎の解体強行をやめるように

     解体工事の為かとも想わせる足場が組まれていると聞いています。歴史遺産の保存再生を研究する立場から、予定されている解体工事をやめ
    、再度、企業の社会使命として、保全再生について、誠意のある話し合うようを持つよう要請します。


     日本郵政殿、大阪府知事殿、大阪市長殿、文化庁殿

     
    明日にでも始まる恐れのある大阪中央郵便局の解体工事が、心配される中で、保存を求める声は、高まるばかり。東京中央郵便局の、保存に
    比べて、大阪を軽く見ているような一部の玄関周りだけの保存に怒りの声が、出ている。日本郵政は、解体工事を一時中断して、再度、市民
    、建築専門家などの声を聞け!


    日本郵政に、大阪中央郵便局の解体工事を止め、保存グループとの話し合いを持つよう要望中。文化財クラスの優れた近代建築を玄関周りの一部の保存だけで、新築工事を強行しようとするのは、問題である。後世に悔いを残さない為にも有識者、保存派などが、オープンな場で話し合いを持つべきである


          599-8126 堺市東区大美野155-13
              明治建築研究会。TEL 072-236-3357 。

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  6. 明治建築研究会0:13

    こんな大変なときに、歴史建築の保存どころではないだろうと、先輩からお叱りを受けた。大震災、津波、放射能、原発、エネルギー、ミサイル、核実験問題などの解決が、先だとの事。しかし、われわれは省エネ、地球資源の有効利用からも、使える貴重な都市資産の保全再生を訴えているのである。ご理解を

    13分 sibatamasami ‏ @sibatamasami1
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    長い間、明治建築、現代建築の保存の勉強を続けてきて、無力感で一杯。重要性をいくら訴えても相手にしてもらえない悔しさ。会社側が本当に、大阪中央郵便局庁舎の玄関部分だけを残して良いと考えているのか、信じられない。後世に、批判,悔いを残さぬためにも、解体工事を、始める前に、話し合いを!

    32分 sibatamasami ‏ @sibatamasami1
    返信 削除 お気に入りお気に入りに登録 · 閉じる 開く 詳細 旧大阪中央郵便局庁舎の解体強行をやめるように要請中。解体工事強行の気配が?。専門家、市民の保存要請を無視して、有識者といわれる人の、一部の意見で取り壊しを強行するのか。大企業の日本郵政が、歴史遺産を、一部だけ残して解体することは、断じて許せない暴挙。東郵のように保存の再考を!

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