大阪中央郵便局の建物の良さがやっと分かってきた。最初は意識に上らない建物だった。しかし、外から見て階の高さが下から上に狭くなる。古代の建築では正面の柱間隔が中央が広く、外へ狭くなる例がある。そんな空間構成が心地よい。唐招提寺の金堂のように。こんなことを考えているうち、この建物がいとおしくなってきた。良い建物だ。ぜひ大阪駅前に残しておきたい。
中郵はたいへんお世話になった。資料や原稿の締切が明日に迫る。完成はまだ。しかし「あす午前中に東京へ送れ」との電話。どうしようかと思った時、翌朝10時便で間に合う。締切は夜10時半だったと思う。24時間営業の庁舎でこの便のお世話になることが多かった。速達を出し終え、ほっとしてロビーから大阪駅前の夜景を眺める。実に美しい。これは窓の大きさが意味を持つのか。高層化される駅前のビルの上層もよく見える。
設計者の吉田鉄郎は北欧の建築の影響を受けたと云う。ささやかな私の北欧建築の経験から、フィンランドの図書館の窓の切り方を思い出した。内部から周囲の景色がうまくまとめられている。本お読みながら外を見た時、森と湖の景色はほっとする。鉄郎は知っていたのだと思った。自然と都会とは違うものの・・・。
2012.04.18 A.M 8:10 長山 雅一
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