19.4.12

今日の一言

 建物は消耗品か

 私はかつて文化財保護の仕事をしていた。窓口業務としては遺跡のあるところで工事を計画した場合、建築確認の他に文化庁長官宛の工事に伴う発掘届が必要だからです。

 私の窓口では埋蔵文化財の保存や調査をどうするかの協議を行った。地下の遺跡の調査を検討するうち、そこに現存する建物が、近代建築として重要なものである事があった。私は建築は専門でないが、重要な建物であるときは、壊さないで活用が出来ないのかと云ったことがあった。しかし、多くは所有者の意向が経済性が優先される。高層化を期待すると云う。

 そこで「建築家としてあなたはこの建物をどのように評価するの?」と聞きたくなった。しかし、答えは殆どなかったと記憶する。私は意地悪く、「あなたが設計する建物が将来に文化財的価値になるのでしょうか?。この建物の価値が分からのに良い建物が建てられますか?」と続けた。しかし、建物は実用的で、文化的評価は考えていなかったのかも。

 中央郵便局も同じ。何とか良さを知ってもらうことが急がれる。大阪駅前を歩く方にお願い。中央郵便局をもう一度見て下さい。見上げていたり、関心を持つ人がいると、関心のない人も関心を持ってくれるはずです。

 2012.04.19a.m 9:58 長山 雅一

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