23.2.12

第2回緊急シンポジウムを開催

 2012年2月23日、当会は、第2回緊急シンポジウムを開催、約80名の参加者に加え、約400名のインターネット中継による視聴を得、満場一致で新声明文を採択しました。

【新声明文】
2012年2月23日
「大阪中央郵便局を守る会」代表 長山雅一

「大阪中央郵便局を守る会」声明文
大阪中央郵便局庁舎の解体工事即刻中止と庁舎の有効活用に向けて

日本郵政グループは、昨年末に大阪中央郵便局庁舎の解体を発表しました。
大阪中央郵便局庁舎は日本の近代建築史上最も優れた建築のひとつとして、国の重要文化財としての価値を有し、世界的にも評価されています。また大阪駅前の文化的景観を構成する重要な要素であり、大阪の玄関口としての都市格を支える唯一無二の存在でもあります。何よりこの建物は戦争の難局にあるなか、私たちの先人が知恵と技術を結集し、国が建設した公共の施設です。それを公に開かれた十分な議論を尽くさぬまま、不十分な内容の報告書を根拠に、明確なビジョンもなく暫定的に破壊して空地とし、そこに仮設の郵便施設を設けるなどという行為は、暴挙というより他ありません。また現在発表されている一部保存は、保存とは名ばかりの、建築の価値を全く無視したものとなっています。
私たちが「大阪中央郵便局を守る会」を結成し、1月29日の緊急シンポジウムや、街頭署名などを行うことによって、専門家と一般市民を問わず、非常に多くの方々が庁舎の保存と有効な活用を求めていることが明らかとなりました。半世紀以上に渡って大阪駅前を見守り続けてきた大阪中央郵便局は、これまで数え切れないほど多くの市民に利用され、親しまれてきました。歴史的建築物はもはや所有者の私的所有物ではなく、社会の共有財産というべき存在です。そして大阪中央郵便局庁舎を建設したのは日本郵政グループという私企業ではなく、国の機関が公共施設として建てたものなのです。事業主は、国民の声に真摯に向き合う義務があります。
日本郵政グループは旧庁舎を解体し、開発事業が決まるまで跡地を暫定的に整備し、地域活性化のための広場とするとしていますが、その広場は一体誰が望んでいるのでしょうか。大阪中央郵便局庁舎を慌てて破壊する必要はどこにあるのでしょうか。現在の社会状況の中、オフィス床の過剰供給が懸念される大阪において、事業計画に具体的な目処が立たず、5年10年と駅前が更地のまま捨て置かれることを、私たちは非常に懸念します。これほど悲しいことはありません。真に大阪駅前の活性化を謳うのならば、庁舎を残し、世界に誇る大阪に固有の財産をうまく活用することこそが、現在の社会に求められる最も現実的で効果的な手法であることを私たちは確信しています。大阪中央郵便局庁舎の優れた活用を示すことは、大阪が世界にその存在をアピールする絶好のチャンスです。
私たちは、解体工事計画を即刻中止することを求めると共に、大阪駅前の真の地域活性化と文化創造のために、庁舎の有効な暫定利用をはかりながら、時間をかけて大阪中央郵便局舎と大阪の未来について議論することが必要であると考えます。

【シンポジウム】
会名  緊急シンポジウム第2回
    大阪中央郵便局の活用を考える 保存と解体を超えて
日時  2012年2月23日(木)18:00-21:00
会場  大阪・中之島デザインミュージアム de sign de >
参加費 500円(資料代含む)
定員  80名(申込不要・当日先着順)
主催  大阪中央郵便局を守る会
後援  DOCOMOMO Japan,近畿産業考古学会(KINIAS)(予定)
    日本建築学会近畿支部,日本建築家協会(JIA)近畿支部
問合先 大阪中央郵便局を守る会       

プログラム
1_報告
 倉方俊輔(建築史家,大阪市立大学准教授)
 納見健悟(あるく総合研究所主宰)
 コメンテーター:松隈洋(建築史家,京都工芸繊維大学教授)

2_活用提案
 前田茂樹(建築家,大阪工業大学講師)+倉方俊輔
 中谷ノボル(建築家,アートアンドクラフト)+RIPS
 家成俊勝(建築家,DESIGNEAST実行委員会)
 コメンテーター:橋寺知子(建築史家,関西大学准教授)
 *中谷さんは、シンポ当日はご都合により不参加でした。

3_ディスカッション
 進行:高岡伸一(建築家,大阪市立大学特任講師)
 発言者:各発表者
 コメンテーター:南一誠(芝浦工業大学教授・学長補佐)
 *南さんは、ご都合により不参加でした。

4_質疑応答

【記録映像】(約170分)


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